2リットルという数字の出どころ
1日2リットルという言い方は広く知られていますが、体重50kgの人と90kgの人、机に向かう日と真夏に走った日で同じ量が必要な理由はありません。目安はおおむね体重と活動量に比例し、暑さや発汗の程度で増えます。1つの数字を覚えるより、自分の基準を知るほうが役に立ちます。
1日2リットルは全員に合う数字ではありません。その出どころ、食事からの水分、不足の見分け方、飲みすぎの注意、多く飲むべき場面、習慣にする方法をまとめました。
1日2リットルという言い方は広く知られていますが、体重50kgの人と90kgの人、机に向かう日と真夏に走った日で同じ量が必要な理由はありません。目安はおおむね体重と活動量に比例し、暑さや発汗の程度で増えます。1つの数字を覚えるより、自分の基準を知るほうが役に立ちます。
1日に入る水分のかなりの部分は食事から来ます。汁物や鍋、果物、野菜、牛乳には水分が多く、コーヒーやお茶も利尿作用を差し引いても結局は水分を足してくれます。汁物をよく食べる食事なら、水を別に多く飲まなくても足りていることがあります。逆に塩辛いものを食べた日は渇きが強くなるのが自然なので、そんな日はいつもより少し多めに飲んでもかまいません。
いちばん簡単な合図は尿の色です。薄い黄色ならおおむね足りていて、濃い色が続くなら不足寄りです。のどの渇きはすでに足りなくなってから出る信号なので、渇きだけを基準にすると遅れます。年齢とともに渇きを感じにくくなるため、時間を決めて飲むほうが安全です。運動の前後に体重を測ると汗でどれくらい失ったかがおおよそわかり、汗をたくさんかく人には補給量を見積もるよい目安になります。
短時間に大量の水を飲むと血液中のナトリウムが薄まり、問題になることがあります。まれですが実際に起こり、特に長時間の運動中に水だけを飲み続けた場合に出ます。長く汗をかく運動では水と一緒に塩分も補う必要があります。水を飲んでいるのに吐き気、頭痛、混乱が出るなら、不足ではなく飲み過ぎかもしれないので、すぐに医療の助けを求めてください。
ふだんより水分が多く必要なときがあります。そんなときは渇きを待たずに先回りして、分けて飲むのがコツです。一度にたくさんより少しずつこまめに飲む方が体に吸収されやすく、すぐにトイレに行くことも減ります。
基本は水です。麦茶やとうもろこし茶のようにカフェインのないお茶も、水と変わらず水分を補ってくれます。甘い飲み物やジュースは水分と一緒に糖分も多くとることになるので、渇いたときの定番にするとカロリーが積み重なります。スポーツドリンクは長く汗をかいたときには塩分と糖分を一緒に補えて役立ちますが、職場で水の代わりに飲むには必要以上です。下痢や嘔吐がひどいときは水だけでは電解質を補いにくいので、薬局で売っている経口補水液を使う方が適しています。
よくある失敗は、朝と夜にまとめて飲むことです。日中ほとんど飲まずに夜まとめて飲むと、夜中にトイレで目が覚めて睡眠まで妨げられます。日中に均等に分けて飲み、寝る一、二時間前からは量を控える方がよいでしょう。また一日の目標量を決めて無理に飲みきろうとするのも望ましくありません。尿の色が薄く、頭痛やめまいなく一日を過ごせたなら、おおむね足りています。高齢者や子どもは渇きをうまく伝えられないので、まわりが気にかけてあげてください。
量を増やそうと頑張るより、飲む場面を作るほうが長続きします。見える場所にコップを置く、食事のたびに1杯、席を立つときに一口というように、すでにしている行動にくっつければ覚えておかなくて済みます。腎臓の病気がある場合や水分制限を受けている場合は、一般的な目安をそのまま当てはめてはいけません。水筒に目盛りをつけておいたり、一日に飲みきる本数を決めておいたりすると、どれだけ飲んだかを別に数えなくて済みます。